派遣社員や契約社員は、正社員と比べると給料が安い、契約更新があるので将来が不安定などのデメリットばかりがあげられます。
わたしも派遣社員として働いていた頃はずっと将来に不安を感じていました。
だから、40代で派遣社員を続けている独身者、また派遣社員をしている旦那さんや奥さんの気持ちはすごく分かります。
でも心配や不安を抱えているだけでは未来は変わらないし、それが現実になるだけでしょう。
それを払拭するには行動が必要です。
ここでは派遣でいることを心配している人へ、将来の不安を払拭する方法について考えてみたいと思います。
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40代の派遣社員ってどれくらいいるの?
実際に40代の派遣社員ってどれくらいいるのでしょうか?
厚生労働省の派遣労働者調査のデータを紹介します。
40代の派遣労働者の割合は全体のおよそ14%(男女比率は、男性:13.5%、女性:14.7%)。
30代を皮切りにその数は半分以下に激減しています。
つまり30代で派遣社員だった人の多くは40代になる前に正社員として転職しているということですね。
また50代ではさらに半分の7.3%になっているので、40代を過ぎて50代でも派遣社員を続けている人が半分、正社員として転職している人が半分ということが分かります。
もちろんあえて派遣社員という働き方を続けている人もいるでしょうけど、2人に1人は将来への不安からか勇気を出して転職しているんですね。
なぜ40代の派遣社員は将来に不安に感じてしまうのか?
2人に1人は正社員になっているというデータもあるように、多くの派遣社員は将来に不安を感じています。
その理由は正社員と比べて以下のようなリスクがあるからでしょう。
契約次第で仕事がなくなる可能性があるから
派遣社員という働き方が将来不安定といわれる大きな理由が雇用形態です。
雇っている会社の業績が悪くなったり、先方から不要と判断されて契約解除となったら終わり。事実上のクビです。
派遣先にもよりますが、2か月、3か月、6か月のように更新期間が決まっているので、更新時期になるとドキドキするんですよね。
もし契約更新されないと働き口がなくなるわけですから、次の派遣先を早く紹介してもらわなければなりません。
でも正社員の転職と同じで、40代で次の派遣先を見つけるのはなかなか大変です。
仕事が慣れた頃に異動になるから
労働者派遣法によって、派遣社員が同一の派遣先企業、同一の部署で勤務できる最長期間は原則3年と定められました。
つまり、同じ会社では最長でも3年しか働けないということになります。
やっと仕事や人間関係に慣れてきても、3年経ったら新しい職場に異動しなければならないので、一から慣れることにストレスを感じます。
新しい環境に慣れるときが一番労力使いますよね。
結婚できない可能性があるから
40代で派遣社員だと、それだけで結婚候補者から外れる可能性があります。
差別と思うかもしれませんが、実際に派遣社員と聞いただけで毛嫌いする人もいますし、相手の両親が納得しないケースもあります。
いくら給料が正社員並み、それ以上であっても派遣社員という言葉に反応する人は多いのは事実。
結婚を望むなら、それを理解してくれる相手を探すか、派遣であっても安定した生活が送れるという証拠(給料や貯金など)を見せる必要があるでしょう。
将来の生活がある程度見えているから
派遣社員やってると将来がどうなるかだいたいわかるんですよ。
その将来とは、今とほとんど変わらないか、良くはなってない未来です。
なんか夢も希望ないこと言いますが、このまま働き続けても昇格したり、出世する見込みはないでしょう。たぶん未来は大きく変わらないです。
正社員だったら役職が付いたり、キャリアアップにつながる仕事を任されたりするでしょうけど。
とにかく契約が途切れないように、この状態をキープしていくのが必須ですから、それ以上のことは望めません。
とにかく目先の契約更新のことばかりを考えているような状態じゃ、明るい未来が待っているとは言えませんね。
定年がないのでメリハリがなく働かないといけない
正社員は定年が60歳、企業によっては55歳などもありますが、派遣社員には定年がありません。
一応、2020年に派遣法が改正されて、派遣社員に対しても退職金を支給することが義務付けられましたので、その点は安心にはなりましたが。
でも定年がないので、あと何年働けばいいのか見当もつきません。
年金で食べていけるなら仕事を辞めてもいいですが、無理そうならこのまま派遣でどこかの企業で働き続けるでしょうね。
定年がないので、あと何年という目標もなくメリハリなく働き続けないといけないのは不安でしょうがないです。
給料が上がらないから
正社員の場合、毎年ベースアップや基本給がアップしますが、派遣社員は基本的に昇給することがありません。
経験年数やスキルに応じて派遣元が派遣先に交渉してくれるケースもありますが、給料が大きく増えることはないです。
ちなみに、一般的な企業の正社員の平均昇給額は5,000円~6,000円程度と言われています。
それに比べてわたしの場合の時給は、これまでに数十円しか上がりませんでした。
40代の正社員と派遣社員の収入の比較
転職サイトのリクナビNEXTによると、40代の正社員として正規雇用で働く人の平均年収は561.3万円です。
一方、契約社員や派遣社員、アルバイトといった非正規雇用として働く人では、平均年収は256.3万円とのこと。
正社員と派遣社員の年収は2倍以上差があります。
うーん、この数字を見ると悲しくなりますね。
40代で年収200万円代です。派遣社員である以上、50代になっても60代になってもさほど変わらないでしょう。
この年収の低さが将来不安と言われる原因だったり、結婚に向いてないと言われる所以です。
40代で派遣社員を続けるリスク
40代で派遣社員を続けることの不安は、給料の安さと契約更新で仕事が継続できるかどうかという点です。
その不安が現実になったとき大きなリスクが伴います。
将来の子どもの教育費を捻出できない
子供が中学、高校になって県立ではなく私立に行きたいと言ったら親としてはどうしてあげたいですか?
もちろん子供の意見を尊重してあげたいですが、現実問題、学費が払えるか不安でなりません。
また、大学に行くとなったら学費だけでなく一人暮らしの家賃や食費などの負担も増えます。
全国大学生活協同組合連合会が2018年に実施した調査によると、一人暮らしの大学生への仕送りの全国平均は月71,500円です。
これに学費も入れたら月に十数万円はかかる計算になります。
これはわたしの派遣時代の月給で足りるかどうかの金額です。
子供の仕送りでほぼ月の給料持っていかれたら自分の生活費は残りません。
となると、学費などは奨学金や金融機関の教育ローンで借りないと無理でしょう。
借りれてもその後の返済も不安です。
老後の資金を貯金できない
給料が安く日々の生活で精一杯の状態だと、将来の貯蓄どころではありません。
しかし、老後は2000万円必要だと言われていますよね。
現在は40代ですが、70歳まで働いたとしてあと30年で2000万円を貯めるには毎月いくらくらい必要なのか試算してみました。
40代派遣社員の貯蓄をシミュレーション
12ヶ月×30年=360ヶ月
2000万円÷360ヶ月=55,555円
現時点で貯金ゼロとして、30年で老後の2000万円を貯めるためには毎月55,000円の貯金が必要です。
果たしてこの金額は可能なのでしょうか?
先ほどの40代派遣社員の平均年収256.3万円をもとに計算してみます。
256.3万円×0.8=2,050,400円(手取り年収)
2,050,400円÷12ヶ月=171,000円(手取り月収)
171,000円-55,000円=116,000円
平均年収からざっくり計算しましたが、残った116,000円で家賃や食費、携帯代など足りますでしょうか?
時給の高い人はまだ余裕があると思いますが、平均年収くらいだと老後の2,000万円の貯蓄は結構厳しいと言わざるを得ません。
ちなみに正社員の方でも計算してみましょう。
40代正社員の平均年収は561.3万円。
561.3万円×0.8=4,490,400円(手取り年収)
4,490,400円÷12ヶ月=374,200円(手取り月収)
374,200円-55,000円=319,200円
319,200円-116,000円=203,200円も差がある
手取りでは相当な開きがあります。
40代の派遣社員が将来への不安をなくす方法
老後の貯金とか、正社員との給料の差を計算すると凹みます。
しかし、それと愚痴ったり凹んで終わらせるだけでは現状は変わりません。
わたしも現状は打破するためにできることはやってきました。
ということで、40代の派遣社員が将来への不安をなくすためにできることを紹介します。
無駄な出費を減らして節約をする
贅沢なんてしていないという人もいるかもしれませんが、今一度無駄な出費がないか見直してみましょう。
スマホのアプリでも紙でも良いので毎月の収入と支出を書き出し見てるのがおすすめです。
いわゆる家計簿ですね。収支を見える化することで必要なもの、不要なものが見えてきます。
コンビニで無駄な物を買っていないか、携帯料金プランの見直し、保険の見直しなどしてみましょう。
特に携帯や保険代など固定費は見直したほうが良いです。
給料が入ったら先に貯金する
家計簿をつけて毎月最低限必要な生活費を割り出したら、それを残して先に貯金するのがおすすめです。
お金が残ったら貯金しようでは貯まりません。
先に貯金することで残ったお金でやりくりをせざるを得なくなるので強制的に貯めることができます。
派遣の仕事以外で収入を増やす
節約には限界がありますので、収入を増やすことのほうが効果的です。
派遣の仕事以外で収入を増やせるような副業を始めるのもおすすめ。
仕事以外での収入源があれば、契約更新されなくても焦らなくて済みますので。
ネットを使ったビジネス
パソコンやスマホを使ってできる副業はたくさんあります。
わたしのようにブログを始めたり、クラウドソーシングというサービスに登録すればライターの仕事もあります。
ただし、1日たったの5分で月収30万円みたいな怪しい副業には手を出さないほうが良いです。ほとんど詐欺である可能性大です。
メルカリやヤフオクで不要な物を売る
家にある不要な物を売るのもありです。意外と高値で売れるものとかありますからね。
ただ、単発では稼げるかもしれませんが、売るものがなくなったら終わりなので継続して稼ぐのは難しいです。
アルバイト・パートをする
派遣の仕事以外にアルバイトをするのも一つでしょう。
派遣の仕事って正社員のように残業なく時間の都合がつきやすいので、休みの日や夜など暇な時間をバイトにあてやすいと思います。
ただし、無理して体調を崩しては本末転倒なので働きすぎないよう注意は必要です。
時給を上げる努力をする
やはり複数の仕事を掛け持ちしたり、副業するよりは派遣の仕事で時給を上げてもらう方が効率的かつ無理をしないし健康的にも安心です。
では、どうすれば時給を上げてもらえるのか?
人気のない仕事を選ぶ
当然ながら条件の良い求人は、応募が殺到するため採用倍率がとても高いです。
特に大手企業の事務職などはとても人気が高く、なかなか採用されにくい状況となっています。
誰だって楽で時給の高い仕事をしたいですから、そこに人が集まるのは仕方ありません。
しかし、そこが狙い目で逆に人気のない求人に応募することで採用率は高く、人を集めるためにこう時給で募集している所も多いです。
例えば、コールセンターや介護職など、クレーム対応とか体力的にきつい仕事などは誰もやりたがらないので、人手が不足しています。
なので、あえてそういった競争率の低く時給の高い求人を狙うのも一つの方法です。
派遣会社の担当者と信頼関係を築いておく
派遣会社の担当者からすれば、しっかりした人を派遣したいと思うのは当然のこと。
仕事のスキルはもちろん、挨拶や時間の管理など社会人として当たり前のことができる人のほうが安心して任せられます。
派遣先からの評価が高ければ自社にとってもプラスになりますから。
担当者からこの人なら任せて安心と思われるよう印象を良くするような仕事を日々心掛けておきましょう。
担当者との信頼関係ができれば、良い条件の仕事も紹介してくれます。
勉強して資格を取ったりスキルを身に付ける
資格やスキルを身に付ければ仕事の選択肢も広がります。
40代でもまだまだスキルアップは可能です。
資格やスキルと経験をかけ合わせることで、20代、30代の若い人たちと差別化ができます。
正社員へと転職をする
将来への不安を払拭するためには、収入と安定性の面で言えば正社員のほうが有利です。
平均年収も高いし、契約更新もないので。
派遣社員を続ける理由がない人は、思い切って正社員への転職にチャレンジをしてみるといいでしょう。
派遣先の企業で正社員登用を目指しても良いですし、別の企業への転職どちらもでいいです。
別の企業へ転職をする場合は、転職エージェントを使うのがおすすめです。
転職をサポートしてくれる転職エージェントとは?
転職エージェントとは、求職者と求人を募集している企業との橋渡しをしてくれるサービスのことです。
わたしも登録して使ってました。もちろん無料で登録できるのでご安心を。
求職者は無料で使えますが、転職が決まったら企業からお礼として転職エージェントに紹介料が支払われる仕組みになっています。
だから、転職エージェントとしても転職を成功させたほうが儲かるので、一生懸命サポートしてくれるんです。
具体的にどんなサポートをしてくれるかというと、
- 非公開求人の紹介
- キャリアの棚卸し、経験や強みの整理
- 履歴書や面接のアドバイス
これらを無料でやってくれます。
非公開求人の紹介
転職エージェントは、ハローワークや他の転職サイトには載っていない独自の非公開求人を持っています。
そこに登録しないと紹介してもらえないので、転職サイトに登録してなかなか条件に合う企業が見つからないという人には特におすすめ。
一気に選択肢の幅が広がります。
また、条件を登録しておけば、エージェントの担当者から条件にマッチする求人を紹介してくれるので、忙しい人でも転職活動を進めることができます。
登録して待っていれば向こうから求人を紹介してくれるのです。
キャリアの棚卸をしてくれる
自分で強みや経験をアピールするって難しいですよね。
転職エージェントでは、これまでの職歴や経験などから、キャリアの棚卸を手伝ってくれるので自分では気が付かなかった強みを見つけるきっかけになります。
それは、応募書類や面接で必要となる「自己PR」や「志望動機」に活用できます。
履歴書や面接のアドバイス
履歴書の書き方や面接時の応対など抑えておくべき要点をアドバイスしてくれます。
客観的な視点で意見をもらえるので、自分でやるよりも質の高いアピールができるようになるでしょう。
転職実績No.1のおすすめエージェントやよくある質問をこちらの記事にまとめたので、合わせてご覧ください。
40代の派遣社員は将来へ備えておこう
40代という年齢、派遣社員のデメリットは確かにあります。
そこに不安を感じているだけでは、将来への不安が現実になるだけです。
やはりその不安に対して今できることをやっておかないと、困るのは自分ですからね。
わたしも転職や副業を始めて将来に備えました。
40代でもまだ大丈夫。共に頑張りましょう。
求人の紹介や履歴書の書き方、面接のアドバイス、年収の交渉などさまざまな転職支援を無料でしてくれる転職エージェントの紹介です。
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